2010-08-10

私たちはなぜスラムや貧しい村に行くのか?

ケニアの青年Kennedy OdedeがNY Times(2010/8/9)に寄稿した文章。




スラムドッグミリオネア以降、インドのスラム見学ツアーも増えているようです。

Kennedyの住むケニアでも。


「貧困削減のために何かしたい」と先進国から次々とやってくる人々。

でも、どれだけの人が戻ってくるか?行動に移すか?

それは大きな疑問。


彼は言います:

"Slum tourism is a one-way street: They get photos; we lose a piece of our dignity."


東京ガスのガスパッチョのCMを見ると、いつもドキっとします。

外人のツアー客がずかずか家の中に入ってきて、写真を撮ったり、歓声を上げるというもの。

インドの村でこんな風に思われてないよね?!って。


ガイアでもインドの農村へのスタディツアーを行っていますが、これには本当に気をつけたいと思っています。

村に行く時、決して村人の生活(と尊厳)に土足で踏み込まないように。

ツアーを少人数に抑えたり、できるだけ同じ村に戻っていくのはそのためでもあります。

彼らは私たちのいろんな質問に丁寧に答えてくれるし、もてなしてくれます。

手作りのご馳走を用意していてくれたり、わざわざ水牛のミルクを絞りにいってくれたり。


滞在中に受けた彼らの厚意。

それと一緒に私たちには責任が生まれているのだと、自覚しなければ。


Kennedyはこうも書いています。
"Slums will not go away because a few dozen Americans or Europeans spent a morning walking around them. There are solutions to our problems — but they won’t come about through tours."

そうなんでしょう。
そんなに簡単に解決策なんて生まれないし、
第一、外の人間が「あなたたちこうしたらいい」なんて言う権利はないのです。
(たとえ熟慮の上であっても。)

自分たちの限界をわきまえ、彼らの権利・尊厳を尊重した上で、
それでも私たちにできることは何かを考える。

そうなりたいと思います。



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