学校を建設運営している非営利団体はインドに限らず途上国に多々ありますが、バルティ財団のアプローチはちょっと変わっています。
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その前に背景を少し書くと・・・
インドでは、小学校入学率は95%まで上昇しているものの、それでも学校に行けない子どもが1,000万人以上おり、
その68%は一度も学校に行ったことがないといわれています。
また、小学校に入学しても3分の一の児童が小学校卒業前に退学してしまいます。中退してしまうために、6-10才の児童のうち、約4,200万人が学校に通っていないと言われています。
※出典:UNICEF、UN
課題は教える側にも、教えられる側にもあります。
すなわち、前者に関して言えば、公立(州立)の小学校は農村部でも箱としては存在しています。教師も割り当てられています。しかしその教師たちの多くが出勤しなかったり、来てもやる気がないのだそうです。
後者は、やはり貧しい家庭では子どもも働き手となってしまうという現実があります。-----------------
バルティ財団は考えました。
“機能する”小学校運営とはどんなものだろうか?
どうしたら“機能する”初等教育を、この国に普及させられるだろうか?
一財団でありながら、彼らが考えているのは「国づくり」。
ただし彼らは自分たちだけでインドという巨大な国の初等教育を作ろう・変えようとしている訳ではありません。計画はこうです。
バルティ財団は、小学校500校と中学校100校を運営します。(現在はまだその途上。あと数年かけて増やすそうです。)運営には企業経営経験者が加わり、カリキュラム開発や教員育成は教育の専門家がアドバイスしています。
上記規模で(経済的にも、そして教育の内容としても)“機能する”モデルが出来たら、それを州政府や他の民間機関に横展開してもらおうと考えています。
公共サービスの成功モデルをまずは民間主導で作る。
分野は違えど、Acumen Fundのアプローチと共通する考え方です。
幸いにも公共サービス、基本インフラが整っている日本ではなかなか考えられないことですが、こうした民間・ビジネスアプローチの活用が主流になってくるのかもしれません。
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