2011-06-01

「包み込む力」と「分断する力」

このところ、どうも仕事で調子が出なくて、モヤモヤとしていたのですが、何が気になっているのかようやく言葉になりそうです。

インドは、雑多なものがごちゃまぜに存在している場所です。富める者も貧しい者も、ヒンドゥー教徒もイスラム教徒も、ベンツもオートリキシャも、ヨガもジムも、IT産業も、昔ながらの洗濯屋さんも。超高級ホテルも、川岸での沐浴も。。。時間の流れがねじ曲がってしまったかのような、何もかもを包み込んでしまう懐の深さに惹かれます。

一方、企業の組織構造やマインドセット、慣習などを見ると、役割を細分化し、明確に切り分け、互いに干渉しあわないのがよしとされる傾向強し。時には非協力的にさえ感じるほど。放っておくと、各部署・担当者がてんでばらばらの方向に動き出すこともある。特にここ数週間は、人が増えたせいか会社の中の分業度合が高まっていて、微妙に居心地が悪い。

ただ、半年間働いてみて、しかも大勢を巻き込んで結果を出すためには、担当分野を細かく分割して、それぞれが役割を果たすべく邁進する必要がある、というのも経験済み。悪いことばかりではないんですよね。。。


インドという国、そしてインドに住む人たちは、この矛盾とどう折り合いをつけて生きているのだろう?不思議。



「一つにまとめる(包み込む)力」と「細かく分断する力」を右足と左足とするならば、私は今、どちらをどう動かしたらスムーズに前に進めるのか、混乱して、よろめいている状態なのかもしれない。


・・・などと、昨年読んだ『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』(アダム・カヘン著 英治出版)を思い出しながら、一人思い当った次第。

次の一歩をどう踏み出したものか、まだわからないのですが。。。

まあ、私のインド人の同僚たちは、おそらく「気にしない、気にしない。Go with the flow」って言うのだろうなあ。