2010-09-27

What is a "good" fellow?

まだFellowshipを始めたばかりの私のところにも、次年度のフェロープログラムに応募したいという方からの相談が舞い込み始めました。嬉しい兆候です。


一体どんな人がフェローに選ばれるのか、、、みなさん関心があるところでしょう。


先週、Acumen Fellow Alumni Gatheringがありました。
私の代は5期生にあたります。現役含め、約35名が集合しました。(全部で45名程度なので、結構な出席率です。)
2日間彼らと時間を過ごしました。ワークショップでの課題を共に考えたり、1対1で話をしたり、ハッピーアワーでわいわい話をしたり。。。
その中で気づいたこと。
それは、ひとつのフェロー像はない、ということです。

フェローになる前の経歴もさまざま。(企業出身者もNGO出身者もあり。)
フェローシップに期待することもさまざま。
フェローシップ中の経験と学びも、(おそらくエッセンスは共通しているのですが)さまざま。
フェローシップ後のキャリアもさまざま。


年齢も、私のクラスは25才から37才と10才以上の開きがあります。


さらに、たとえば私のクラスは10人中6人が米系コンサルティング会社出身。(うち4名がPwC出身だから驚きです。私もその一人。)一方で一つ前の2010クラスはNGO出身者がマジョリティ。


もっとよく見れば、フェロー45名には何か共通点があるのかもしれません。
でも、仮にそれがあったとしても、目に見えるもの(=履歴書に現れるもの)でないのは確か。
それに何より、Acumenは「違うこと」を喜びこそすれ、避けることはないのだと、この1週間で感じました。
一人一人のパーソナリティと意志・関心をとことん尊重する空気が、ここには確かにあります。


フェローシップへの応募を検討していらっしゃる方は、ぜひAcumen(の選考プロセス)に向き合うのではなく、ご自身の内面に向き合い、貧困削減という課題に向き合い、このプロセスを楽しんで頂ければと思います。


まだちょっと早いですが、ちいさなTipでした。

2010-09-21

1日目を終えて

今週は、前年度(2010)フェローの最終週であり、新年度(2011)フェローの第1週。
木曜日に予定されている前年度フェローの卒業式までに、我々新フェローは彼らから様々な体験談やノウハウのシェアを受けられるらしい。

昨日は早速コーチの発表があった。
フェロー一人につき、前年度フェローが一人コーチとしてアサインされる。
これは、アキュメンフェローの年度を越えた結びつきを育み、コミュニティを構築していこうという試みの一環。また、フェローが投資先に派遣されて様々な困難に直面したときに、相談できる相手を用意しておこうという配慮でもある。過去にフェローとして同様の1年間を過ごした人とだからこそ、分かち合えることがあるのだろうと思う。

私のコーチは、タンザニアのD.llightに派遣されていたアメリカ人のKevin。派遣される国もセクターも私とは異なるけれど、Acumenに至る道のりで考えたこと、大切にしている価値観などが似ている。派遣された先では結構苦労もしたらしい。でも、「大切なのは結局のところ、SincerityとHardworkだと思う」と静かに、そして真摯に語るところに共感。とても心強い。

2010-09-20

違いに触れ続けること

今回、成田から北京経由でニューヨークに来ました。
遠回りでしたが、中国経由且つ中国国際航空の便だったためにおもしろい経験をしました。
なんと機内でも、乗り継ぎの北京空港でも中国語で話しかけられっぱなし。。。
しかも一言二言の中国語+ちょっとしたジェスチャーでもコミュニケーションが成り立ってしまうから、いつまでたっても中国語。。。

私は自分のことを「明らかに日本人でしょう?」と思っているので、この体験には驚きました。でも客観的に見たら、大して変わらないのかもしれません。

日本にいるときは、中国・中国人との共通点よりも、違いに目がいっていました。

同じことは、国籍に関係なく個人の関係でもいえることかもしれません。
離れていると、何を共有しているかより、何が違うかに目が行く。
そして、それが不満・不安の種になったり、互いを遠く感じたりする。

久しぶりにアメリカに来て、改めてこの国の多様性に驚いています。これだけ異なる文化・背景の人々が一つの場所に住み、社会を構成していることの不思議。

でもこうして自分と違う人々と隣り合わせで暮らしているからこそ、自分の感覚が研ぎ澄まされるようにも思います。
違いに対しても、共通項に関しても。
違いを感じてこそ共感も生まれてくるのではないでしょうか。

それはきっとある種客観的な共感とも言えるかもしれません。客観的な側面があるから、違いを埋めたり、互いの課題を解決すべく建設的な行動が取れるのかもしれません。

違いに触れ続けることは、常に心地よいこととは限らないでしょう。でも恐れずそういう中に身を置き続けられる自分でありたいと思います。



2010-09-19

NY到着

ニューヨークに到着しました。
久しぶりのニューヨーク。
3年半前に出張で来て以来。あのときは本当に短かったので、本格的に滞在するのは5年ぶり。

今日は秋晴れで気持ちよかったですよ。

月曜日からAcument FundのNYオフィスで7週間ほどの研修が始まります。

2010-09-15

民間が公共サービスの「成功モデル」を作る

ガイア・イニシアティブのインドでのパートナーの一つに、Bharti Foundation(インド携帯最大手エアテルが母体の財団)があります。同財団は、教育分野に集中して活動しており、現在北インドを中心に約240校の小学校を運営しています。今回のスタディツアーでは農村部の教育現場も紹介したいと考え、彼らの小学校訪問もプログラムの中に盛り込みました。

学校を建設運営している非営利団体はインドに限らず途上国に多々ありますが、バルティ財団のアプローチはちょっと変わっています。

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その前に背景を少し書くと・・・
インドでは、小学校入学率は95%まで上昇しているものの、それでも学校に行けない子どもが1,000万人以上おり、
その68%は一度も学校に行ったことがないといわれています。
また、小学校に入学しても3分の一の児童が小学校卒業前に退学してしまいます。
中退してしまうために、6-10才の児童のうち、約4,200万人が学校に通っていないと言われています。
※出典:UNICEF、UN

課題は教える側にも、教えられる側にもあります。
すなわち、前者に関して言えば、公立(州立)の小学校は農村部でも箱としては存在しています。教師も割り当てられています。しかしその教師たちの多くが出勤しなかったり、来てもやる気がないのだそうです。
後者は、やはり貧しい家庭では子どもも働き手となってしまうという現実があります。
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バルティ財団は考えました。
“機能する”小学校運営とはどんなものだろうか?
どうしたら“機能する”初等教育を、この国に普及させられるだろうか?

一財団でありながら、彼らが考えているのは「国づくり」。
ただし彼らは自分たちだけでインドという巨大な国の初等教育を作ろう・変えようとしている訳ではありません。
計画はこうです。
バルティ財団は、小学校500校と中学校100校を運営します。(現在はまだその途上。あと数年かけて増やすそうです。)運営には企業経営経験者が加わり、カリキュラム開発や教員育成は教育の専門家がアドバイスしています。

上記規模で(経済的にも、そして教育の内容としても)“機能する”モデルが出来たら、それを州政府や他の民間機関に横展開してもらおうと考えています。

(現在でさえ、近隣の州立小学校から評判を聞きつけて先生たちが、やり方を教えてほしいと訪ねてくることがあり、教材やノウハウなど率先して共有しているそうです。)

公共サービスの成功モデルをまずは民間主導で作る。

分野は違えど、Acumen Fundのアプローチと共通する考え方です。

幸いにも公共サービス、基本インフラが整っている日本ではなかなか考えられないことですが、こうした民間・ビジネスアプローチの活用が主流になってくるのかもしれません。

2010-09-13

『モノの物語』からつながりを思う

マレーシアでパームヤシのプランテーションを見たときに、
自分と無縁だとは思えなくなる。

そんなきっかけをくれたムービーがあります。

The Story of Stuff 『モノの物語』



私達が使うモノが、どこから来て、どこへ行くのか。
例えば私達が100円で買っているモノ。その価格はどうやって決まっているのでしょう?
それが誰かの犠牲の上に成り立っているかもしれないという可能性に、私達は普段どれだけ注意を払っているでしょうか。

地球上で私達は点在しているように見えても、実はつながっている。
「つながり」をモノの動きという面から捉えたムービーです。

メチャクチャ早口の英語と、分かりやすいアニメーションで一気に語る。
個人的にはこのノリがとても好きです。
(「環境教育教材」って感じがしないからかな?)

※日本語字幕付きを自主的につけている方々がいらっしゃるみたい。検索すると出てくるかも。

The Story of StuffプロジェクトのWebサイトはこちらです。

ちなみに、私もファシリテーターとして参画している「チェンジ・ザ・ドリーム シンポジウム」では、この映像を素材の一部として活用しています。

2010-09-12

70%の力で走る

今日お世話になっている大学の先生から印象深い応援の言葉をいただきました。

--(一部抜粋)---
敢えて「頑張ってください!」とは言いません。むしろ「あまり頑張らずに自分の出来ることだけをやってください」と申し上げます。インドでは自分の力の100%で走るのではなく70%程度の力でゆっくり走ることの方が重要だと思います。
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インドをはじめとするアジア各国の金型産業、製造業を長年見てこられた先生だからこそのアドバイスだと思います。


インドは果てしなく、(一見)秩序なく、ひとりの人間の限界を容赦なく突きつけてくる場所です。
自分は自分のできることをやるという謙虚さ、
70%の力でゆっくり、でも長く走り続ける余裕
がないと、あのインドの底の見えない混沌に飲み込まれて、自分を見失ってしまうのかもしれません。


きっとこの言葉をインドで思い出すときがくるのだろうと思いつつ。。。



常に身軽に

来週土曜日の出発に備え、今日本格的に荷造り。
これがなかなか悩ましい。
行くのはNYとムンバイ。
いずれも大都市なので、現地でたいていのものは手に入る、と思えばずいぶんとコンパクトにできそう。
だけど普段使っているものを詰めていくとあっという間に重量オーバー。。。

どこへでも、何がなくても、身軽に飛んで行けるフットワークの軽い人でありたいと思っていました。

でも、いつの間にか愛着あるモノがずいぶん増えていたようです。(それも時にはいいことですけどね。)

再び身軽に。
これもFellow Programの最初の課題なのかもしれません。

2010-09-11

空から・・・

ガイアのインドスタディツアーから戻り数日(実は体調を崩してダウンしていました)。

短かったけれど、今回もまた実り多い滞在でした。
整理に手間取り、まだ旅本体の写真をUPできないのですが、
日本からデリーに向かうフライト中に撮影した数枚をご紹介。

地面に張りついた虫の目の日常から、鳥の目へ。

まずは普段生活する東京。
ここにはたくさんの営みがあって、住んでいる1人なんですよね!












そして乗り継ぎのクアラルンプール。
空港に向かう途中で眼下に広がったパームヤシ(たぶん)のプランテーション。
緑は緑でも、恐ろしく規則的にならぶ木々と張り巡らされた道路に考えさせられました。












他国の問題とはいいたくない。
日本から遠く離れた土地ではあるけれど、これも私達の生活の一部なのだと思います。

最後に、西の空に沈みゆく太陽。














飛行機も一路西に向かって飛んでいましたが、太陽の方が速かった。。。

窓から見える美しい星空に、鳥の目ならぬ、宇宙の目を意識したフライトでした。