日本の中小企業の技術を世界に、とは最近よく聞くフレーズ。
特にBOPビジネスでは期待を込めて、頻繁に言われている。
私もそう口にする人間の一人。
今日、そういう中小企業の社長さんお二人にお会いしました。
大企業を定年退職してからも精力的に中国の工場で技術指導をしたり、
省エネモーターを開発したり。
印象的だったのは、技術開発だけに注力している訳ではなく、
とりわけ大きな売上を求めている訳でもなく(もちろん採算は取れないといけないけれど)、
何よりも人材育成のためにこれをやっているのだ、と仰っていたこと。
40年以上かけて身につけたものづくりのスキル、ノウハウ。
これを次の世代に伝承したい。
日本国内、海外(特に途上国)問わず。
ぼくたちが指導したら、次の世代はここまで来るのに40年もかからないでしょ、と。
日本のものづくりの底力はこういう方々にあるんだなあとしみじみ。。。
以前お話を伺った製造業の専門家の先生は、こんなことを仰っていました。
“新興国の人たちは手っ取り早く技術を享受したいから(そして資金もあるから)、「今ある中で一番いい技術をくれ」と言う。炊飯器に例えるならIHの最新型を欲しがる。・・・でも中長期的には、かまどでのおいしいご飯の炊き方を知っていた方がイノベーションを起こす力がつく。”
こういう考え方を含めた日本のよさ、世界の役に立つと思うんです。
そう思っている人は多い。
あとは一つ一つ、どう実現させていくか。
2010-08-06
2010-07-31
エネルギーとはしばしお別れ、と思いきや
Acumen Fellows Programでは、11月~来年8月までAcumenの投資先で働くことになります。
私はインド・ムンバイの1298 Ambulance Company (正式名称はZiqitza Healthcareという)に派遣されることになっています。
名前からわかるように、救急車サービスの営利企業。
医療セクターということで、エネルギーとはしばしお別れだわ・・・と思っていたら、なんと!?
救急車の屋根にソーラーパネルがついてる。(^^ゞ
救急車に搭載してある医療機器をバッテリーで動かしていて、
そのバッテリーをソーラーパネルで充電しています。
今まではエンジンをかけて充電していたとのこと。
ソーラーパネルにしたらガソリン代が抑えられて経済的にメリットありだそうです。
環境・エネルギー技術って、(ビジネスと同じように)あくまでも手段なんだなと改めて思いました。
ソーラーパネルというと日本では高価で大掛かりというイメージがあります。
車+ソーラーパネルで思いつくのは、ソーラーカーレースくらい。
でも本来こうやってちょっとしたところでも役に立てるんですね。
派遣中、私がやるのはソーラーパネルの普及ではなさそうですが (*^_^*)、
この会社が何やらとても身近に感じられるようになりました。
私はインド・ムンバイの1298 Ambulance Company (正式名称はZiqitza Healthcareという)に派遣されることになっています。
名前からわかるように、救急車サービスの営利企業。
医療セクターということで、エネルギーとはしばしお別れだわ・・・と思っていたら、なんと!?
救急車の屋根にソーラーパネルがついてる。(^^ゞ
救急車に搭載してある医療機器をバッテリーで動かしていて、
そのバッテリーをソーラーパネルで充電しています。
今まではエンジンをかけて充電していたとのこと。
ソーラーパネルにしたらガソリン代が抑えられて経済的にメリットありだそうです。
環境・エネルギー技術って、(ビジネスと同じように)あくまでも手段なんだなと改めて思いました。
ソーラーパネルというと日本では高価で大掛かりというイメージがあります。
車+ソーラーパネルで思いつくのは、ソーラーカーレースくらい。
でも本来こうやってちょっとしたところでも役に立てるんですね。
派遣中、私がやるのはソーラーパネルの普及ではなさそうですが (*^_^*)、
この会社が何やらとても身近に感じられるようになりました。
2010-07-30
ソーラーエネルギーと社会課題解決
先日ソーラーランタンプロジェクトについてプレゼンをしたところ、
終わった後に、
「ソーラーエネルギーだから環境の話だと思って来てみたけど、そうじゃないんですね。」
と言われました。
確かに、1時間位話して、一度も「二酸化炭素」「温暖化」などの単語を使わなかったかも。
振り返ってみると、最初は(2年前にソーラーランタンプロジェクトを始めたころ)、
私も二酸化炭素が出ないという点に惹かれたのでした。
当時と今、何が違うのだろう?
よくよく考えてみると、インドの農村に行ってみて、優先順位が変わったのだと思います。
ソーラーランタンを使うと、もちろん結果として二酸化炭素は出ないから地球環境にもいいです。
でも、村の人達はそんなことよりも、もっと切実な問題に直面している。
自分自身、そして自分の子どもたちの健康。安全。
(灯油ランプの煤や煙で気管支炎になったり、炎でやけどしたり)
暗くなってからでも子どもが勉強できる。
それは将来のチャンスが広がることにつながる。
そして夜、仕事ができるようになると収入が増える。
家族の暮らしがよくなる。子どもにもっと教育を受けさせてあげられる。
私達が日本であまりにも当たり前に享受していること。
でも、無電化村では決して当たり前ではないこと。
ソーラーランタンはそういう目の前の課題解決にも役立てる。すぐに。
それがわかって、嬉しくもあり、
同時に社会課題の深刻さにショックを受けたのでした。
そのショックが、わたしを駆り立てる原動力にもなっています。
終わった後に、
「ソーラーエネルギーだから環境の話だと思って来てみたけど、そうじゃないんですね。」
と言われました。
確かに、1時間位話して、一度も「二酸化炭素」「温暖化」などの単語を使わなかったかも。
振り返ってみると、最初は(2年前にソーラーランタンプロジェクトを始めたころ)、
私も二酸化炭素が出ないという点に惹かれたのでした。
当時と今、何が違うのだろう?
よくよく考えてみると、インドの農村に行ってみて、優先順位が変わったのだと思います。
ソーラーランタンを使うと、もちろん結果として二酸化炭素は出ないから地球環境にもいいです。
でも、村の人達はそんなことよりも、もっと切実な問題に直面している。
自分自身、そして自分の子どもたちの健康。安全。
(灯油ランプの煤や煙で気管支炎になったり、炎でやけどしたり)
暗くなってからでも子どもが勉強できる。
それは将来のチャンスが広がることにつながる。
そして夜、仕事ができるようになると収入が増える。
家族の暮らしがよくなる。子どもにもっと教育を受けさせてあげられる。
私達が日本であまりにも当たり前に享受していること。
でも、無電化村では決して当たり前ではないこと。
ソーラーランタンはそういう目の前の課題解決にも役立てる。すぐに。
それがわかって、嬉しくもあり、
同時に社会課題の深刻さにショックを受けたのでした。
そのショックが、わたしを駆り立てる原動力にもなっています。
充電ステーションでランタンを借りた子どもたち |
2010-07-28
インパクト評価
国際開発センターのNGO向け「インパクト評価入門」を受講しました。
シンプルなBefore&After比較から、最新の実験モデル(Randomized Experimental Model)まで、事例と演習を交えて一気にカバー。非常に分かりやすかった。お薦めです。
数ある評価手法の中でもっとも複雑なやり方は、「実験モデル」(Randomized Experimental Model)。
先日New YorkerでMITのPoverty Action Lab が紹介されていて気になっていたところでした。http://bit.ly/9IgAr3
ソーラーランタンプロジェクトでも、プロジェクトが村にもたらしたインパクトを定量的に把握しようと努めてはいますが、現時点ではやはり十分とは言えません。
でも今日の話を聞いていると、うちだけではないようです。
NGOの間には、こうしたノウハウはまだ一般的ではないのですね。
さらに、評価スキルだけでなく、予算確保が重要。(これがないとやりたくてもできない。)
一般に開発系のプロジェクト(ODA含む)では予算の1割をプロジェクト評価に充てるのが目安なのだとか。
NGOに寄付する側もされる側も、評価の必要性をちゃんと認識して、最初からその費用を見込んでおくようにならないと。
最近BOPビジネスの文脈のなかで、「企業とNGOの協働」が注目されていますが、
連携が進むためには、NGOも自分たちの活動のインパクトを客観的な数値をベースに説明する必要がありますね。
そして、近い将来、企業が自らの事業を評価するときに、経済的なインパクトだけでなく、社会的インパクトを定量的に把握する動きも進むのだと思います。
シンプルなBefore&After比較から、最新の実験モデル(Randomized Experimental Model)まで、事例と演習を交えて一気にカバー。非常に分かりやすかった。お薦めです。
数ある評価手法の中でもっとも複雑なやり方は、「実験モデル」(Randomized Experimental Model)。
先日New YorkerでMITのPoverty Action Lab が紹介されていて気になっていたところでした。http://bit.ly/9IgAr3
ソーラーランタンプロジェクトでも、プロジェクトが村にもたらしたインパクトを定量的に把握しようと努めてはいますが、現時点ではやはり十分とは言えません。
でも今日の話を聞いていると、うちだけではないようです。
NGOの間には、こうしたノウハウはまだ一般的ではないのですね。
さらに、評価スキルだけでなく、予算確保が重要。(これがないとやりたくてもできない。)
一般に開発系のプロジェクト(ODA含む)では予算の1割をプロジェクト評価に充てるのが目安なのだとか。
NGOに寄付する側もされる側も、評価の必要性をちゃんと認識して、最初からその費用を見込んでおくようにならないと。
最近BOPビジネスの文脈のなかで、「企業とNGOの協働」が注目されていますが、
連携が進むためには、NGOも自分たちの活動のインパクトを客観的な数値をベースに説明する必要がありますね。
そして、近い将来、企業が自らの事業を評価するときに、経済的なインパクトだけでなく、社会的インパクトを定量的に把握する動きも進むのだと思います。
2010-07-27
時代は変わる・・・
夜、前の前の勤め先(コンサルティング会社)にお邪魔しました。
2002年末に辞めて以来なので、なんと7年半ぶり!
ソーシャルxグリーンで珍しいことをやっているOGがいる、ということでプレゼンする機会を頂きました。
2002年当時、環境に関わる仕事がしたかった私は、
社内にそんな案件が皆無だったこともあって、アメリカの大学院進学を決意したのでした。
ところが時代は変わるものですね。
今日来て下さった方々の中には、環境ビジネスの案件を(しかも複数掛け持ちで!)やっていますという人が何人もいました。うらやましい・・・。
さらに当時はサプライチェーンの効率化、システム導入といった話しかしていなかった先輩たちも、しっかりソーシャルxグリーンの視点から世界&ビジネスの動きを見ている。
嬉しい&心強いです。
そして、2002年にはグリーンを軸に新しいスタートを切った自分が、ソーシャルという側面を加え、そして一回りして(?)またビジネスに戻っていくのを我ながら嬉しいなと思いました。この先もずっとぐるぐる回り続けるのだと思います。
2002年末に辞めて以来なので、なんと7年半ぶり!
ソーシャルxグリーンで珍しいことをやっているOGがいる、ということでプレゼンする機会を頂きました。
2002年当時、環境に関わる仕事がしたかった私は、
社内にそんな案件が皆無だったこともあって、アメリカの大学院進学を決意したのでした。
ところが時代は変わるものですね。
今日来て下さった方々の中には、環境ビジネスの案件を(しかも複数掛け持ちで!)やっていますという人が何人もいました。うらやましい・・・。
さらに当時はサプライチェーンの効率化、システム導入といった話しかしていなかった先輩たちも、しっかりソーシャルxグリーンの視点から世界&ビジネスの動きを見ている。
嬉しい&心強いです。
そして、2002年にはグリーンを軸に新しいスタートを切った自分が、ソーシャルという側面を加え、そして一回りして(?)またビジネスに戻っていくのを我ながら嬉しいなと思いました。この先もずっとぐるぐる回り続けるのだと思います。
ビジネスはもともとソーシャルなんです
今日、シードプランニングさんのBOPセミナーでソーラーランタンプロジェクトについてお話させて頂きました。
私の前には、上智大学の岡田先生がBOPビジネスの背景にある世界的な流れから、現在のトレンドまで全体像を講義。(岡田先生には普段からソーラーランタンプロジェクトのアドバイスを頂いたりしているので、先生と同じ場で発表するなんてちょっと緊張してしまいました。。。)
先生は非常に理論的・分析的な視点からアプローチし、
私はとことん具体的な事例を提示した訳ですが、
2人とも同じことをインドで体験していました(!)
それは、インドでビジネスマンと「CSR」「ソーシャルビジネス」「BOPビジネス」といった単語を出して話をすると、
「いまさら何言ってるの?ビジネスはもともとソーシャルでしょ?」
と言われる、という体験談。
インド人は商売、商売って感じでやりにくい、とぼやく人もいますが、
彼ら(特に経営者層)にとって「ソーシャル」は今さら口に出すまでもない、当たり前のことなんですよね。
ただ、同じソーシャルインパクトを、より経済的に達成できた方がいい、と考えている。(これまた当たり前の感覚。)
BOPの人々と隣り合わせで生活し、日々ビジネスを行っているこうしたインド企業と、
日本のオフィスで数字だけでああでもない、こうでもないとBOPビジネスを議論する日本企業。
これではいくらよい技術を持っていても、差は埋められないように思うのですが。
私の前には、上智大学の岡田先生がBOPビジネスの背景にある世界的な流れから、現在のトレンドまで全体像を講義。(岡田先生には普段からソーラーランタンプロジェクトのアドバイスを頂いたりしているので、先生と同じ場で発表するなんてちょっと緊張してしまいました。。。)
先生は非常に理論的・分析的な視点からアプローチし、
私はとことん具体的な事例を提示した訳ですが、
2人とも同じことをインドで体験していました(!)
それは、インドでビジネスマンと「CSR」「ソーシャルビジネス」「BOPビジネス」といった単語を出して話をすると、
「いまさら何言ってるの?ビジネスはもともとソーシャルでしょ?」
と言われる、という体験談。
インド人は商売、商売って感じでやりにくい、とぼやく人もいますが、
彼ら(特に経営者層)にとって「ソーシャル」は今さら口に出すまでもない、当たり前のことなんですよね。
ただ、同じソーシャルインパクトを、より経済的に達成できた方がいい、と考えている。(これまた当たり前の感覚。)
BOPの人々と隣り合わせで生活し、日々ビジネスを行っているこうしたインド企業と、
日本のオフィスで数字だけでああでもない、こうでもないとBOPビジネスを議論する日本企業。
これではいくらよい技術を持っていても、差は埋められないように思うのですが。
2010-07-22
TEDxTokyo
TEDxTokyo関係者の小さなパーティーに行きました。
5月の本番イベントには都合がつかず参加できなかったので、今回お誘いを頂いて即座に「もちろん!!」とお返事したのでした。
政策大学院大学の黒川清先生(ガイアの理事でもあります)、
以前からお会いしてみたいと思っていた田坂広志さん、
TEDxTokyoでもお話されていたAzby Brownさん、
TEDxTokyo Curator のToddさん、
そしてガイアの代表野中ともよさん(いつも会っていますが。笑)
それぞれの方から、素晴らしいInspirationを頂きました。
またゆっくり書きます。
それと、同年代で頑張っている人たちとも盛り上がりました。
インドでもTEDにかかわっている人に会ってみようと思います。
そういえば、もともとはBlue Economyの話で集まったんじゃなかったかな?すっかり話を忘れていました。(^^ゞ
ひとまず熱冷めやらぬうちに・・・
5月の本番イベントには都合がつかず参加できなかったので、今回お誘いを頂いて即座に「もちろん!!」とお返事したのでした。
政策大学院大学の黒川清先生(ガイアの理事でもあります)、
以前からお会いしてみたいと思っていた田坂広志さん、
TEDxTokyoでもお話されていたAzby Brownさん、
TEDxTokyo Curator のToddさん、
そしてガイアの代表野中ともよさん(いつも会っていますが。笑)
それぞれの方から、素晴らしいInspirationを頂きました。
またゆっくり書きます。
それと、同年代で頑張っている人たちとも盛り上がりました。
インドでもTEDにかかわっている人に会ってみようと思います。
そういえば、もともとはBlue Economyの話で集まったんじゃなかったかな?すっかり話を忘れていました。(^^ゞ
ひとまず熱冷めやらぬうちに・・・
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