2010-10-24

NY研修前半まとめ~リーダーシップについて~

ニューヨーク研修前半4週間での学びを、一度まとめておきたいと思います。

Acumen Fellows Programはリーダーシップ研修です。
当然、研修も「リーダーシップとは・・・」「よいリーダーになるには・・・」といった内容になるわけですが、特に最初の4週間はリーダーであるかどうかにかかわらず、公私問わず、一人の人間としてどう生きていくかと考え、語り続けた日々だったと言えます。

数ある学びの中で、個人的に特に印象に残ったリーダーシップの4つの側面をまとめとしてみたいと思います。

①無防備になる力
人生の出来事、過去に出会ったよいリーダー、悪いリーダーを振り返って、自己の強み弱み、理想のリーダー像を考える演習が何日か続きました(泊まり込みで)。それらを他のフェロー達と共有する過程で、目を背けたい弱点、触れたくない(が重要な影響を及ぼした)経験等がボロボロと出てきます。それらを自分の一部として、人前で認める行為の不安。
今となってみれば、リーダーは常に強くなければならないと思い込んでいたから不安になったのだと思う。終わって気づいたのは、リーダーも一個人として自分の弱みを周囲にさらけ出してよいのだ、そうしてこそ相手も心を開き信頼してくれるのだということ。ときには無防備(vulnerable)に-業務に関しても、個人的にも-自分を開示する勇気が必要なのだと気づきました。


②傾聴力
自分と異なる意見、文化、コミュニケーションスタイルを持つ人々の声を聴くことができるか。フェローとのチーム作業の中で、自分が今までゴール達成(タスク遂行)にばかり気をとられていたと痛感。(フェロー10人概してその傾向あり。詳しくは:か細い声に耳を傾ける
過去の仕事でも、誰かが途中で脱落しても気づかなかったり、目をつぶってゴール達成を優先したこともあった。その結果ゴールを達成したにも関わらず、チームはバラバラになってしまったことも。
似たようなスキル・経験を持ったメンバーでさえこうした事態が起こるのであれば、BOPビジネスの現場ではどうなってしまうか、容易に想像できますよね。
スピードや効率を後回しにしても、投資先企業の同僚や貧困層の顧客の声に注意深く耳を傾ける時間を取ることの重要性を痛感しました。
言いたいことがあっても声を上げる勇気がない人・声がかき消されてしまった人の存在に常に敏感であるように、とフィールドでの日々に向けて肝に銘じています。



③ビジョンを描く力
泊りがけで、古代ギリシャから現代まで、政治哲学、経済学、文化人類学、文学などの書物を読み議論する機会がありました。
CEOジャクリーンがモデレーターとなり、各自の見解や経験を語り合う4日間。
歴史上の偉人達が、時代を超え、自分の理想の「Good Society」を書き綴ってきたことへの純粋な感嘆。
各人の描く「Good Society」が時には対立するほどに異なる内容を示すことへの驚きと戸惑い。
「Good Society」における国家の役割・個人の役割に関する議論。
そして最後は、「私が作りたいGood Societyはどんなものだろうか?」との問い。
正直なところ私はまだ断片的なイメージしか持っていない。問い続けないといけないのだと思う。他のフェロー達と、フィールド派遣後もこうしたリーディングを続け、月1回語り合う目標を立ててセッションを終えました。

Good Societyの感想はこちらSwimming in the “Good Society” RiverとAcumen Fund blogにも掲載。
Good Society研修で読む著作等、Acumenお薦めの読書リストはこちらです。


④表現力(レトリック)
同じく「Good Society」研修の中で、言葉の持つ影響力を確認。
特にキング牧師やネルソン・マンデラの言葉には圧倒される。
対立する相手と自分を決して切り離さず、共感を呼び起こし、説得する力。
私は1対1、あるいは小グループで、しかも対面であれば、何とか共感を生みだすことはできるかもしれない。でも、大多数の顔も知らない人々、しかも対立する立場の人々、にどこまで影響を与えられるか。まったくもって自信なし。
心の中にどんな優れた考えを持っていても、それを伝え、人を動かす力に変えていけなければリーダーとしては意味がない。

最後に一番大切なことを付け加えておきます。
それは、リーダーシップのスタイルは人それぞれ、ということ。

何をどう感じても良し悪しはないし、迷いがあってもいい、ただし目の前のプロセスに常にオープンでありつづけること。(基本的なことだけど、一番勇気をもらった言葉かな。)


気負わず、引き続き私らしく、歩いてみます。


←「Good Society」研修中に
紅葉の中を散歩。ジャクリーンと。






※ニューヨーク研修後半は、より実践的なツール・スキルの習得へと重点が移っていく予定です。

1 comment:

  1. Thank you for this! I really enjoyed reading your post, and what you learnt & felt during the training period. Keep up the good work and hope to meet you one day with Mario :) Mari

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